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ほぼ日刊三浦タカヒロ。

「畑のめぐみ。」

◎里浜通信/三浦隆弘/畑のめぐみ
 先日、仙台市太白区の坪沼で、ささやかな収穫祭がありました。
 会場は「プチファーム」という名の市民農園。耕作されなくなっってしまった田畑と、野菜栽培を体験してみたいという市民とをつないで、四年前に始まった取り組みです。
 仲を取り持っているのは、私も入っているNPO(民間非営利団体)です。一応「農場長」になっている私は、地元農家と都市住民との仲介(主に仙台弁の通訳)、情報交換に使うメーリングリストの管理などを担当しています。
 今年の参加者は三十人。赤ちゃんからお年寄りまで幅広い世代、職業の人が集まりました。
 参加者は与えられた自分の区画で好きな作物を栽培します。手入れも各自。何か問題が起きれば、メールで私にSOSが来て、対処法などを指導する仕組みです。
 作物と対話し、成長に一喜一憂した一年。今年はじめて栽培収穫、手打ちしたそばや、手作り石釜で焼いたパンなどを味わった収穫祭では、こんな声が聞かれました。
 「天気予報はもちろん、季節の変化に敏感になった」「収穫したらどうやって食べるか。それを家族で話し合うのが楽しかった」
 暮らしの中に畑があるだけで、どれだけ心が豊かになるか。皆さんは実感したようです。
 農地を提供した農家の側も、わずかな会費、授業料の収入を得ただけでなく、新たな出会いを楽しんでいました。
 参加者の中には早くも来年の作付けを思い描いている人もいます。この冬、畑での思い出を話題にする家族もあるでしょう。
 畑を舞台にした多業種多世代の交流|。さらに広く深く根を張るように、手を掛けていければと思っています。
(名取市・セリ農家)


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